水俣は遥かになりて・8

hamkichi

2009年05月21日 12:12

「アセトアルデヒドは日本経済の発展にとって重要物質として位置付けられ、万が一水俣工場におけるアセトアルデヒドの生産を停止した場合日本経済へ与える影響の大きさが、1959年当時憂慮された」

これは、元通産省の局長が水俣病訴訟の証人尋問での証言である。
この証言から、人命ではなく産業界への影響を憂慮したことが窺える。

一方、厚生省は疑わしきはチッソの工場廃水であるとの見解を出している。
それに対して、チッソは実に姑息な工作をしたのである!

チッソは、廃液の排水路を密かに水俣川河口付近に変更した。
そうすることによって、厚生省による見解への矛先を変えようとしたのである。
チッソ付属病院の医師細川氏は、会社に対して反対した!



「そっち方面に患者が出たら、それこそ工場の廃水が原因だと証明することになる」

この反対は、他の地域への汚染の懸念もあったようだが、会社擁護への反対とも思える!
そして結果は、誰もが想像するように、川の流れに乗った廃液は、それまでの水俣湾だけでなく、不知火海(八代海)にまで汚染が広がっていくのである!!


それでも、チッソは・・・

     それでも、国は・・・

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